今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(46巻6号・2017年6月号)
特集/精神病理学の新課題―スペクトラムと臨床診断単位の認識論・存在論

「臨床精神医学」(46巻7号・2017年7月号)
特集/てんかん診療における精神科医の役割

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 第40巻4号(2011年4月号) 特集/認知神経科学と精神医学:イメージングと計算論
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇3月11日の大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。被災地に赴いて現場の精神科医療を支えておられる先生方も多いと存じます。国民すべての努力によって,この国難ともいえる事態の一刻も早い回復を祈念します。

◇今回の特集では,ブレインマシンインタフェースの進歩が精神医学に何をもたらすかについて,この分野の世界的権威である川人光男先生に編集していただくことができた。川人先生に自ら編集をお願いするという神をも畏れぬ仕業であったが,先生には快く受けていただき,海外からの寄稿までお世話いただいた。ここに改めて感謝を申し上げたい。

◇編集子は,今回のようなシステム神経科学の分野はまったくの門外漢である。にもかかわらずこのような特集を企てたのは,今や研究の世界標準ともいえる分子生物学の限界を感じるようになったからである。分子からDNAにまでさかのぼって疾患の原因を探索する研究の発展は多くの発見をもたらした。しかし,今なお原因不明のまま多くの精神疾患はそこにある。大脳の機能を遺伝子に還元してどこまで解明できるかという命題は多くの進歩にもかかわらず,なお疑問に包まれている。システム神経科学の最近の発展は,まさにその疑問に答える鍵を提供するものではないかと期待したからである。

◇今回の特集に寄稿いただいた方々によるシンポジウムが,来る5月の第33回日本生物学的精神医学会(東京)で行われる。川人先生ご自身の特別講演も予定されている。本特集は,いわばその基礎資料といえるかもしれない。本誌の記述から生まれた疑問やヒントを,実際の講演の場で質問としてぶつけてほしいと思う。それによって,システム神経科学が精神科臨床に貢献できる道筋が見えてくれば,何よりのことと思うのである。

目次


序 (ATR脳情報通信総合研究所)川人 光男・他…411

知覚学習と意識そして精神疾患 (ボストン大学)柴田 和久・他…417

マルチモダルニューロイメージングによるヒト睡眠脳研究

  (マサチューセッツ総合病院)佐々木 由 香…427

統合失調症と内部モデル (千葉大学)浅井 智久・他…435

神経経済学と分子神経イメージングによる精神医学研究 (京都大学)高 橋 英 彦…453

自閉症の脳 −接続異常説を越えて− (順天堂大学)中野 珠実・他…459

精神療法の理解に向けたニューロイメージングの応用

 −うつ病の認知行動療法を一例として− (広島大学)吉村 晋平・他…471

衝動的選択に関するセロトニンの計算論とイメージング

  (大阪大学社会経済研究所)田中 沙織・他…479

痛みの計算論的アプローチ (University College London)Ben Seymour・他…491

複数の手段を用いてのヒト脳機能マッピング (Wayne State University)浅 野 英 司…501

❖日本うつ病学会治療ガイドライン

 T.双極性障害 2011 507

❖シリーズ 難治性気分障害の治療:エビデンスレビュー

 発達障害に伴ううつ病の治療 牛島 洋景・他…523

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