今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(46巻10号・2017年10月号)
特集/成人の注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断と治療

「臨床精神医学」(46巻11号・2017年11月公募論文特大号)
特集/超高齢化社会の精神科診療

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 第39巻10号(2010年10月号) 特集/司法精神医学の現在−北米と日本−
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇本号の特集は司法精神医学を焦点にして医学と法学の学際性,日本と北米の国際性という2本の軸で構成した。「際」にはさまざまなものがある。その中で,言葉の座りは悪いが,世代間のボーダーやギャップに関わる「世代際」というものも考えられる。

◇ECTが日常的な治療法で,薬といえばchlorpromazineとhaloperidolが主流であった時代に育った精神科医にとって,現今の非定型抗精神病薬や気分安定薬はなかなか自家薬籠中とはいかない。ドイツ精神医学を教わった頭には,コモビデイテイ,エビデンス,アドヒアランスといった英語は耳に馴染まない。MDIなら分かるが,バイポラーといわれるとピンと来ない。ある年代以上の精神科医には操作診断を体感的に受け付けない人が多い。

◇ジェネレーションギャップは本特集のテーマにも深く関わっている。町野論文と高柳論文で触れられているように,保安処分論争から精神保健法改正に至る時代,日本の精神医療界はまさに激動と呼ぶにふさわしかった。しかし,今や精神衛生法を知らない世代が精神医学の中核を担おうとしている。

◇体験を風化させるな,などと決まり文句をいうつもりはない。風化するのは表面だけで,問題の深層は変わらない。法や倫理が関わる人間的課題に単純な解答はあり得ない。世代を超えて問題意識を共有し,論じ合うことには意義がある。多文化間精神医学になぞらえていえば,多世代間精神医学といった視点があってもよいだろう。

目次


司法精神医学は国境を越えるか (筑波大学)中 谷 陽 二…1255

法と精神医療 −日本と海外から私が学んだこと− (上智大学)町 野   朔…1263

倫理と司法精神医学 David N Weisstub(中谷 陽二・訳)…1271

司法精神医療改革の方略 −心神喪失者等医療観察法を中心に−

  (千葉大学社会精神保健教育研究センター)五十嵐 禎 人…1279

司法精神医学の倫理的局面 −アメリカの専門家の1視点−

  Thomas G Gutheil(中谷 陽二・訳) …1289

司法精神医学の法的課題 −心神喪失者等医療観察法を中心に−

  (明治学院大学)山 本 輝 之…1299

アメリカ合衆国における刑事司法システムに取り込まれた

 精神病性障害者のための通院医療制度 Steven K Hoge(東本 愛香・訳)…1307

触法精神障害者の地域ケアはいかにあるべきか (松原病院)松 原 三 郎…1321

精神科医療と法・倫理 −戦後を回顧して− (有沢橋病院)高 柳   功…1331

❖研究報告

メンタルヘルスの保持・増進に対する管理監督者の動機に関連する要因

  副 田 秀 二…1341

Neuropsychiatric SLEの治療において認知機能検査が有用であった

 2症例 賀古 勇輝・他…1347

集中内観による死生観の変化の検討 −臨老式死生観尺度を用いて−

  古市 厚志・他…1355

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