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 第38巻12号(2009年12月号) 特集/てんかん医療の進歩
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇今月号では久しぶりに「てんかん」を取り上げた。序文で日本てんかん学会の前理事長で国際抗てんかん連盟副理事長であり,畏友である田中達也先生(脳外科医)がくまなく紹介しておられるので,これ以上申し上げることはなさそうである。田中先生が触れておられるように日本てんかん学会で活躍されている著者陣による,まさにてんかん医療の最前線を実現できたように思う。

◇この布陣をご覧になってわかるように,かつて精神科の先輩たちが切り拓いたてんかん医療は今日では小児科と脳外科に中心が移ってきている。いまやてんかん外科は治療のゴールデンスタンダードになり,その手術時期もより小児期へと若年化が著しい。一方で若手精神科医のてんかん離れは顕著なものがあり,脳波を読むことすらおぼつかない精神科医も今では珍しいとはいえない。

◇しかし,焦点がはっきりしており電気生理学と精神現象の直接対応が可能なてんかん医療はPenfieldの古典のみならず今日でもその輝きを失うことはない。Carbamazepineが嚆矢となった抗てんかん薬の気分障害に対する臨床効果は,最近の第3世代抗てんかん薬の登場でさらにはっきりしつつある。その分子機序はなにか,てんかんと精神疾患の接点はなにか。興味はつきない。

◇最近では本特集で取り上げたより非侵襲的なてんかん外科も登場してきている。内視鏡の進歩によって消化器外科と内科の垣根がはっきりしなくなったのと同じようなことが精神科でも起こるかもしれない。それも後々の歴史ではてんかん外科から始まったと紹介されるかもしれない。読者諸氏にはそういった展望もどこかでもっていただく,その契機になれば幸いである。

目次


序 (国際抗てんかん連盟(ILAE)第一副理事長)田 中 達 也…1669

てんかん遺伝子はどこまでわかったか

  (理化学研究所脳科学総合研究センター)山 川 和 弘…1675

遺伝子研究がてんかん医療にもたらすもの (福岡大学)廣瀬 伸一・他…1685

抗てんかん薬の分子メカニズム (三重大学)岡 田 元 宏…1693

新しい抗てんかん薬への期待 (金沢医科大学)窪田  孝・他…1703

小児の難治性てんかんの治療 (国立精神・神経センター)須 貝 研 司…1711

てんかん外科の進歩 (国立精神・神経センター)大 槻 泰 介…1723

てんかん外科における精神医学的側面

  (静岡てんかん・神経医療センター)安元 眞吾・他…1731

迷走神経刺激によるてんかん治療 (東京医科歯科大学)前 原 健 寿…1739

新しいてんかん治療法の可能性 (京都大学)池 田 昭 夫…1747

❖研究報告

長期間観察した内因性若年−無力性不全症候群の1症例

 ─病期分類の試みと治療的アプローチを中心として─ 中川 東夫・他…1759

精神科診療所におけるデイケアの6カ月転帰の予測 悳  智彦・他…1769

広汎性発達障害(PDD)の大学生の学生生活に対する支援方法の検討

 ―症例の検討を通して― 井野 英江・他…1779

❖学会印象記

第2回アジア精神医学会in Tapeiに参加して 神庭 重信…1789

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