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 第38巻8号(2009年8月号) 特集/精神医学におけるゲノム医学とファルマコゲノミックス
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇2003年にヒトゲノムが解読され,本誌においても2004年 33巻 10号に「ゲノム解読後の精神医学」の特集を組んだ。中枢神経系には25,000のヒト遺伝子の80%以上が発現しており,精神神経疾患の発症に関与する遺伝子も数多いからであった。その後のゲノム医学の進歩には目覚ましいものがあり,臨床への応用が推し進められている。

◇ゲノム解読技術の進展により,唾液から抽出したDNAを用いて50万SNPにおよぶゲノム情報を提供するサービスも始められている。23and Me社,Navigenetics社,deCODE社などは唾液サンプルを送ると1カ月ほどで,病気のリスク,祖先などのDNA情報を送り返してくれる。個人のゲノムには0.1〜2%の個人差があるとされており,このような個人の遺伝情報は,多因子疾患の遺伝性リスクの評価,個人に最適な薬物療法に応用されるようになった。

◇ファルマコゲノミックス(pharmacogenomics)は,遺伝情報に基づいて個人に最適な薬物療法を提供するテイラード・メディスンを可能としている。ファルマコゲノミックスの知見は,コデイン,Warfarin,抗がん剤を中心に進んできたが,抗うつ剤,抗精神病薬などへの応用が考えられている。ゲノム医学,あるいはファルマコゲノミックスは,精神医学領域においても重要な役割を果たすことになるであろう。

◇本特集では,精神医学にとって重要と思われるゲノム医学,ゲノム薬剤学を特集したが,このような高いレベルの論文を寄せていただいた筆者に御礼申し上げるとともに,読者にはこの特集から精神医学の将来像を読み取っていただければ幸いである。

目次


ゲノム医学の現状と課題(愛媛大学)田原 康玄・他…993

ファーマコゲノミクスの現状と課題(大阪大学)東   純 一…999

アルツハイマー病の遺伝子研究(大阪大学)森原 剛史・他…1007

気分障害のゲノミックス研究(理化学研究所脳科学総合研究センター)加 藤 忠 史…1015

不安障害とゲノミックス(東京大学)音羽 健司・他…1021

統合失調症とゲノミックス(新潟大学保健管理センター)渡部雄一郎・他…1031

抗うつ薬とゲノム薬理学 (名古屋大学)伊藤 圭人・他…1039

抗精神病薬とファルマコゲノミックス(愛媛大学)上 野 修 一…1049

抗てんかん薬とファルマコゲノミックス(弘前大学)吉田 秀一・他…1059

❖研究報告

うつ病におけるfluvoxamine投与前後の睡眠ポリグラフ所見と治療反応性予測 土生川光成・他…1073

❖シリーズ 難治性気分障害の治療:エビデンスレビュー

アルツハイマー病または脳血管障害を伴ううつ病の治療ガイドライン 高橋  恵・他…1083

難治性うつ病に対するドパミン・アゴニストの臨床効果  井上  猛・他…1093

❖シリーズ/日本精神医学新風土記(29)

大 阪 府  本多 義治…1105

❖学会印象記

日本統合失調症学会第4回大会 川嵜 弘詔…1109

第28回日本社会精神医学会印象記 堀口  淳…1113

42nd American Association of Suicidology Annual Conference 高橋 祥友…1115

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