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 第37巻12号(2008年12月号) 特集/成人期臨床における広汎性発達障害
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇成人を対象とした臨床を行っていると、統合失調症や気分障害などとして治療を行っている患者の中に、広汎性発達障害、特に高機能広汎性発達障害、アスペルガー障害を少なからず認めるということを、ここ数年、特に感じるようになった。実際、多くの臨床家が、統合失調症のプレコックス感と同様に、「広汎性発達障害らしさ」を感じとる感覚を身につけてきているように思う。

◇成人期にはじめて精神科を受診する広汎性発達障害の患者は、広汎性発達障害としては軽症例であることが多く、表現型としては、しばしば従来の精神障害という形を呈する。臨床現場でいえば、治療により幻覚妄想様の症状や興奮などがいくらか改善してきた時に、広汎性発達障害の特徴が明瞭になってくることがあるし、強迫症状や食行動異常が和らいだ時に対人関係や社会性の問題が現れてくることがある。霧が晴れてきた時に、予想外に難所が見えてくる。精神症状によって、広汎性発達障害がマスクされていたとでもいうのだろうか。

◇本特集では、第一線で活躍されている先生方に、成人期の従来の精神障害を診るという方向から、広汎性発達障害について記していただいた。成人期の患者を診療する時に、広汎性発達障害が従来の精神障害の背景に、あるいは従来の精神障害と紛らわしい形で、現れてくることが多いからである。ていねいな成人期臨床を行うには、広汎性発達障害について考えておくことが不可欠であることが、一つひとつの論文を通して明らかになったと思う。お忙しい中、ご執筆頂いた先生方に、改めてお礼を申し上げる。また、本特集が成人期を中心に診ている先生方に、また児童・思春期を中心に診ている先生方にも、よい示唆と刺激を与えるものとなることを心より願ってやまない。     (A. S.)

目次


成人期臨床における広汎性発達障害を考えるにあたって (川崎医科大学)青 木 省 三

統合失調症と広汎性発達障害 (順天堂大学)広 沢 正 孝

気分障害と広汎性発達障害 (九州大学病院)山 下   洋

うつ病,不安障害と広汎性発達障害の関係 (北海道大学)傳 田 健 三

強迫性障害と広汎性発達障害 (川崎医科大学)中川 彰子・他

摂食障害と広汎性発達障害 (西神戸医療センター) 宮 靜 男

パーソナリティ障害と広汎性発達障害 (医療法人大高クリニック)大 高 一 則

ひきこもりと広汎性発達障害 (山梨県立精神保健福祉センター)近藤 直司・他

児童精神科臨床から成人期臨床に求めるもの─医療的視点から─

  (あいち小児保健医療総合センター)東     誠

児童精神科臨床と成人期臨床を繋ぐために─生活的視点から─

  (北海道大学)田 中 康 雄

❖研究報告

非定型抗精神病薬治療中の統合失調症と双極性感情障害にみられた強迫症状

  江原  嵩・他

ナルコレプシーにおける睡眠麻痺を伴う入眠時幻覚の内容と頻度 松本 京介・他

❖書評

日本近代精神科薬物療法史 風祭 元  著 八木 剛平

❖シリーズ/日本精神医学新風土記(22)

佐 賀 県 黒木 俊秀・他

❖学会印象記

The 8th International Review of Bipolar Disorders(IRBD)in Copenhagen

  阿部又一郎

❖シリーズ/精神医学用語解説

341.手綱核 川嵜 弘詔・他

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