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 第37巻7号(2008年7月号) 特集/気分安定薬の現状と課題
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇気分安定薬とは? まずは是非とも序文を読んでいただきたい。本特集の編集は最初から最後まで畏友である加藤忠史先生の手になるもので,本来は編集後記も彼が書くべきものであることをお断りしておく。

◇さて,リチウムの登場は相当に古い(1949)し,大熊先生がカルバマゼピンの抗躁作用を世界で初めて紹介されたというわが国が誇る先駆的業績もすでに30年近い昔のことである。にもかかわらず,こういった薬が躁病の第一選択薬として広く一般化したのはそれほど昔ではないように思うのは,私の頭が古いせいだろうか。

◇主観的な希望を含めていえば多分そうではなくて,精神興奮とくれば何でもかんでも抗精神病薬で押さえつけてしまえ,とでもいうような前時代的な治療からようやく疾患特異的な治療への道がみえてきたのではなかろうか。考えてみれば,うつ病に伴う幻覚妄想が統合失調症からようやく切り離され,抗うつ薬による治療が論じられるようになったのはそのほんの一つ前の時代である。

◇治療の近代化にあたっては,分子薬理学的な作用機序解明の進歩を見逃すことはできない。気分安定薬の独特のメカニズムが広く知られるようになり,世界的にも関心が高まっている。本特集から,その進歩の先頭に加藤忠史先生のグループをはじめとするわが国の研究者による一連の研究があることを読み取っていただければ幸いである。(K.N.)

目次


●特集 気分安定薬の現状と課題



 序文:気分安定薬とは何か―現状と課題

(理化学研究所脳科学総合研究センター)加 藤 忠 史

 リチウムの臨床update

(大分大学)寺 尾   岳

 バルプロ酸・カルバマゼピンによる双極性障害治療

(広島大学)岡本 泰昌・他

 新たな気分安定薬:ラモトリギンを中心に

(東京武蔵野病院)野崎 昭子・他

 気分安定薬に共通な薬理作用

(理化学研究所脳科学総合研究センター)垣 内 千 尋

 気分安定薬の治療反応予測

(信州大学健康安全センター)鷲 塚 伸 介

 気分安定薬と双極スペクトラム─双極性障害治療の分岐点─

(北海道大学)田中 輝明・他

 非定型抗精神病薬は気分安定薬になりうるか?─気分安定薬の臨床の現状とその問題点について,歴史的経緯と今後の展望を含め,幅広い視点からの解説─

(恩方病院)堤  祐 一 郎

●研究報告

 大学生における過食症の回復要因について─過食症学生の3年後調査より─

藤田長太郎・他

 Yale Psychiatric Consultation Serviceにおけるmirtazapineの不眠症への使用経験

伊藤 敬雄・他

●講演紹介

 第5回福岡精神医学研究会特別講演 講演記録「高齢者の認知症とうつ病」

三山 吉夫

●日本精神医学新風土記

 三 重 県

服部 尚史

●書評

 カプラン 精神科薬物ハンドブック 第4版(山田和男,黒木俊秀,神庭重信 翻訳)

上島 国利

●学会印象記

 第12回日本神経精神医学会

柿木 達也

●シリーズ/精神医学用語解説

 339.若年性認知症

朝田  隆

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