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 第37巻3号(2008年3月号) 特集/精神疾患の周期性と時間生物学
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇多くの精神疾患において,精神症状の概日リズム・性周期・季節性がみられ,また,精神障害の発症の季節性についても古くから観察されてきた。一方,最近の時間生物学の進展により,体内時計の分子機構が明らかにされつつある。そして,このような知見に基づいて,精神疾患の周期性についても新しい理解が可能となりつつある。

◇今回は,「精神疾患の周期性と時間生物学」についての特集とした。時計遺伝子の同定に始まる最近の時間生物学の知見を取り入れて,精神障害の見方が変わりつつあることを,時計関連遺伝子の紹介とともに時計関連遺伝子と精神障害の関連研究について述べていただきたいとの趣旨である。

◇サーカディアンリズムを中心にして,ホルモンの日内変動,睡眠・自律神経の概日リズム,また代表的な病態としてジェットラグ症候群について述べていただいた。さらに,性周期,季節性などについてもまとめていただいた。

◇周期性を示す代表的な精神障害は,気分障害,周期性精神病,非定型精神病などであるが,これらの疾患の発症機序については,いまだ不明なところが多い。睡眠・覚醒リズムに対して提唱されている2 プロセス仮説を用いて,気分障害を理解しようとする試みは,この疾患の発症機序を理解するために有効であるかもしれない。実際,多くの気分障害患者には,REM睡眠,体温やコルチゾールなどの位相が前進していることが示されており,気分障害におけるサーカディアン位相前進仮説が提唱されている。

自殺・自殺企画の起こりやすい時刻・曜日・季節性について多くの報告がなされてきた。当然のことながら人の行動のすべてを生物学的知見で理解することはできないが,本特集で述べられているような知見に加えて,心理・社会的要因を考慮することによって,多くの臨床家にとって有用な内容を提供することができたものと思っている。優れた内容の論文を寄稿していただいた先生方に御礼を申し上げたい。(T.M.)

目次


●特集 精神疾患の周期性と時間生物学



 時計関連遺伝子と精神障害の関連研究

(東京警察病院)海 老 澤  尚

 ホルモンの日内変動と精神障害

(大阪大学保健センター)熊ノ郷卓之・他

 睡眠,精神症状・自律神経症状の概日リズム(サーカディアンリズム)と周期性

(秋田大学)清 水 徹 男

 ジェットラグ症候群の病理病態

(日本医科大学)伊 藤 敬 雄

 気分障害とサーカディアン・リズム

(久留米大学)橋爪 祐二・他

 精神・身体症状と性周期

(大阪市立大学)切 池 信 夫

 統合失調症・気分障害患者における出生日・(初回)入院の季節性

(昭和大学附属烏山病院)佐野 奈々・他

 思春期における周期性精神病:診断概念とその病態

(京都大学)岡 田   俊

 季節,時刻による自殺の変動

(帝京大学医学部付属溝口病院)玄  東和・他



●研究報告

 認知症患者の介護状況の性差について─当院入院患者での比較─

小野 寿之・他

 アルツハイマー型認知症における表情認知と精神症状・行動障害との関連について

   森山  泰・他

●海外だより

 中国駐在員を取り巻くストレス状況の最近の変化─駐在員・家族への聞き取りから─

勝田 吉彰

●日本精神医学新風土記

 大 分 県

山本 紘世

●学会印象記

 第25回日本森田療法学会

芦沢  健

●書評

 きまぐれ「うつ」病─誤解される非定型うつ病

岡崎 祐士

●シリーズ/精神医学用語解説

336.発達障害

大屋 彰利

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