今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(46巻6号・2017年6月号)
特集/精神病理学の新課題―スペクトラムと臨床診断単位の認識論・存在論

「臨床精神医学」(46巻7号・2017年7月号)
特集/てんかん診療における精神科医の役割

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 第37巻2号(2008年2月号) 特集/注意欠陥多動性障害(ADHD)
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇昨年暮れにこれまでADHDの治療に使われてきたRitalinが流通規制により使えなくなり,代わって徐放剤であるConcertaが登場した。その背景にはRitalin乱用と不正流通という問題があったのだが,このあおりで成人のADHD患者は使える薬がなくなってしまった。同種の薬は欧米では広く使われており,その市場規模はアメリカで年間40億ドル近いといわれ,薬効は確立しているといってよい。これは当該患者には深刻な問題であり,編集者の病院にも相談がいくつもあり,新聞でも大きく取り上げられた。しかし相談を受けた側としても打つ手がないのが現状で,このままではネット上で購入が可能といわれる怪しげな海外製品に流れてしまい,新たな問題を引き起こすのではないかと危惧される。

◇この事態は一義的には,何かが社会問題化するたびに右往左往する厚労省の薬事行政に原因があるが,一方で乱用にひっかけてADHDの治療薬そのものを否定する過激な市民団体の存在があるとも仄聞する。さらにその背後にはADHDそのものを否定する医師が存在することも,きっとあろうかと推測される。本誌の特集を振り返ってみると,ある意味信じられないような気もするのだが,ADHDは取り上げられたことがないのである。これも医師の間でその疾患単位としての位置づけが確立していないこと,それが今回の騒動の遠因になっているようにも思われる。

◇この時期にここで「ADHDのすべて」を取り上げることで,ADHDの正しい理解と支援,治療の方策が進展することを願ってやまない。



目次


●特集

ADHDの歴史                              橋本 俊顕

ADHDの疫学                              飯田 順三

遺伝子(レストレスレッグス症候群を含めて)              島田 隆史・他

ADHDの診断                              内山 登紀夫

ADHDにおける精神医学的併存症                     鈴木  太

ADHDの薬物療法                            齊藤万比古・他

心理社会的介入とペアレント・トレーニング               上林 靖子

教育現場からの報告─小学校におけるADHD─               石本 隆士

少年鑑別所の精神科臨床とADHD                     吉永千恵子



●研究報告

“対人関係”に焦点を当てた摂食障害の集団療法の試み          水田 一郎・他



●総説

統合失調症のクレペリン型と欠損型について               仲谷  誠



●学会印象記

第39回日本芸術療法学会                        小林 聡幸



●書評

生活習慣とメンタルヘルス 精神科医と健診医の実証的検討        阿部 和彦



●シリーズ/精神医学用語解説

334.CNV                               今村 明・他

335.多機能型グループホーム                      今井幸充・他

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