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 第36巻7号(2007年7月号) 特集/扁桃体と精神医学
定価(\)本体 2,700+税 送料(\) 150


編集後記

◇本特集は以前に特集した 「海馬と精神医学」 のいわば対になるものである。海馬と扁桃体は近接して存在し,その機能連関は生体にとって極めて重要であるが,発生上は独立した器官である。両者が発生の過程で段々近接して機能連関を強めるという個体発生の進展と,両者の連関を強めることによって生物は生存競争のより上位に立つという系統発生のヒエラルキーができあがったと,比喩的にいえば対比させることができるかもしれない。

◇扁桃体は感覚情報に情動という重みづけをして,生物学的価値判断を可能にする。一方で記憶変換器としての海馬と結びついて,記憶情報に情動という陰影を与えて,やはり価値基準と照合させる役割を果たしている。動物実験でいえば恐怖条件づけであり,ヒトでのPTSDのフラッシュバックの基盤とされるゆえんである。さらに大脳皮質と結びついて価値基準に基づく実行機能の源泉を提供してもいる。まさに扇の要のような組織であり,したがって精神医学の中でその機能異常がもたらす影響ははなはだ大きいものがある。

◇本特集ではその重要性を解剖,生理,そして病理と臨床的意義づけに至るまで網羅し,各種の精神疾患との関連をほぼ余すところなく,概観していただくことができたように思う。まさに精神医学を将来に向けて一層高い価値レベルに止揚すべく,読者の科学的探索の一助になるものと信じてやまない。             

目次


●特集

扁桃体の構成と機能                               川村 光毅

扁桃体と海馬体の機能連関                            西条 寿夫・他

統合失調症と扁桃体                               高橋 英彦

うつ病・不安障害と扁桃体                            飯高 哲也

双極性障害における扁桃体の脳画像所見                      山末 英典・他

広汎性発達障害と扁桃体                             十一 元三

PTSDにおける扁桃体の構造と機能                         袴田 優子・他

サイコパス:情動の病そして扁桃体機能不全仮説                  福井 裕輝

てんかんと扁桃体                                扇谷  明



●研究報告

統合失調症における思考障害と遂行機能                       尾鷲登志美・他



●日本精神医学新風土記

青森県                                     櫻田  高

和歌山県                                    吉益 文夫・他



●学会印象記

第17回世界児童青年精神医学会議                         吉田 弘和



●書評

精神医学の思想 医療の方法を求めて                       丹羽 真一



●シリーズ/精神医学用語解説

328.精神病臨界期                               西田 淳志・他

329.抗うつ薬中止後症状                            興津 裕美

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