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「臨床精神医学」(46巻10号・2017年10月号)
特集/成人の注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断と治療

「臨床精神医学」(46巻11号・2017年11月公募論文特大号)
特集/超高齢化社会の精神科診療

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 第36巻4号(2007年4月号) 特集/早期精神障害―診断と治療―
定価(\)本体 2,700+税 送料(\) 150


編集後記

◇今月号の特集は「早期精神障害─診断と治療─」である。近年の精神科医療におけるearly interventionは,統合失調症を対象に1990年代前半に始まった。当初発症から治療開始までの期間を短くしようという治療的努力であった。転帰の改善を確認した研究はまだ少ないが,自殺や入院の減少,結果としての医療費の減少などの結果は,医療施策としての関心を刺激し,英国では一気に国家保健施策となった。24時間訪問型精神科治療チームの魅力は大きく,治療へのアクセスが非常に悪かった英国では,好感を持って迎えられ,目標を2倍以上超える治療チームが誕生した。
◇この訪問型の医療システムは,地域を精神科医療の中心的な場とする場合には,必須のものである。わが国も入院から地域へという基本方針が打ち出されているが,その流れが加速しない大きな要因は,地域生活の受け皿の未成熟がある。医療は大いに普及しているが,退院の努力が地域での生活に結びつかないのである。この点では諸外国の経験を大いに学ぶ必要がある。
◇本特集では,early interventionの契機となったDUPの発見,発症後の脳病理の変化などの早期治療の根拠,早期治療の新しい対象としての前駆症やARMS,さらにPLEsについて,さらに英国のearly intervention施策の経緯,早期治療を組み込んだ精神保健施策について第一線の方々に執筆いただいた。
◇「早期精神障害」としたのは,国際的にはすでに対象は気分障害をはじめとする他の疾患にも広がっており,特に思春期児童におけるPLEsの発見以後,広範な精神保健転帰の改善を目指す取り組みに発展したことを考慮したものである。
◇わが国でも,そのような思春期児童を対象にした相談・支援・治療をはじめ,精神保健と精神科医療が統合された新しい動きに発展することを期待したい。              

目次


●特集
導入─統合失調症初回エピソードから早期精神障害へ─               岡崎 祐士
統合失調症の未治療期間(DUP)の発見とその後の研究                堀口 寿広・他
統合失調症の前駆症とアットリスク精神状態                    宮腰 哲生・他
早期診断と治療の根拠                              小林 啓之・他
思春期精神病様症状体験(PLEs)と新たな早期支援の可能性             西田 淳志・他
英国における精神病早期介入の医療制度化の経緯と実際               針間 博彦・他
統合失調症脳画像研究と早期診断                         笠井 清登
早期介入を軸とする精神保健システムの改革                    野中  猛

●研究報告
児童青年期強迫性障害患者に対するセロトニン再取り込み阻害薬による薬物療法;
 25例の後方視的調査                              松永 寿人・他
摂食障害類似群(摂食障害予備軍)の位置づけについて─連続性/非連続性の検討─   鈴木 公啓

●短報
精神科病院における身体科からの紹介患者の動向                  澤  雅世・他

●講演紹介
第2回HPNDA研究会講演記録「PTSDの治療」                     神田橋條治

●学会印象記
第19回日本総合病院精神医学会総会                        山内 美奈

●書評
トリエステの精神保健サービスガイド─精神病院のない社会へ向かって        岡崎 祐士

●シリーズ/精神医学用語解説
326.アタッチメント                               森田 展彰
327.賦活症候群                                 辻 敬一郎・他

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