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「臨床精神医学」(46巻11号・2017年11月公募論文特大号)
特集/超高齢化社会の精神科診療

「臨床精神医学」(46巻12号・2017年12月号)
特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

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 第35巻12号(2006年12月号) 特集/ベンゾジアゼピン系薬物の功罪
定価(\)本体 2,700+税 送料(\) 150


編集後記

◇1960年にchlordiazepoxideが登場して以来,多くのベンゾジアゼピン(BZ)系薬物は,抗不安薬,抗てんかん薬,睡眠薬として開発され,現在では有効性,安全性を含めた有用性に優れた薬物として,精神科のみならず一般診療科においても幅広く使用されている。さらに,1970年代にはその作用機序としてGABA-A受容体複合体にあるBZ受容体への結合が解明され,分子レベルの追究が行われ今日に至っている。
◇しかし,これまでのBZ系薬物の使用経験から,注目すべき多くの問題点が存在することも事実である。依存形成と離脱症状,記憶障害,奇異反応,鎮静作用,他の薬物との相互作用などの問題である。欧米諸国はかつてBZ系薬物の乱用という大きな問題をかかえた経験から,その使用法には厳しい制約が設けられている。一方,わが国では安全性の評価のもと漫然とした長期使用が一般化しており,その処方件数は国際的にも突出している。
◇BZ系薬物のこうした使用状況を背景に,わが国では常用量依存が問題化しつつある。本特集で「ベンゾジアゼピン系薬物の功罪」を取り上げたのは,こうした現状を認識したうえでのことである。BZ系薬物の適正使用の実現に資すること大であると確信する。

目次


●特集
ベンゾジアゼピン系薬物の薬理と開発動向                     田ヶ谷浩邦
ベンゾジアゼピン系薬物と他の薬物の相互作用                   中村 明文・他
ベンゾジアゼピンの鎮静作用─効用と危険性─                   田中 輝明・他
ベンゾジアゼピンが認知・運動機能に及ぼす影響                  高瀬 勝教・他
ベンゾジアゼピンと記憶障害                           押淵 英弘・他
ベンゾジアゼピンの奇異反応                           上田 幹人・他
ベンゾジアゼピンの依存と離脱症状                        辻 敬一郎・他
ベンゾジアゼピン依存の疫学と国際比較                      尾崎  茂・他

●研究報告
摂食障害の入院治療の有効性とアレキシシミア
 ─Tronto Alexithymia Scale-20の結果から─                   佐藤 晋爾・他
注意サインへの気づきを目的とした短期再発予防プログラムの実施          大江美佐里・他
慢性期統合失調症患者における音楽療法評価表の有用性について
 ─精神科用愛媛式音楽療法評価表(P-EMS)に関する考察─             渡辺 恭子・他

●海外だより
大規模感染症流行が及ぼす心理的影響と対策
 ─SARSの経験から新型インフルエンザパンデミックへ─              勝田 吉彰

●日本近代向精神薬療法史
向精神薬の長期大量多剤併用療法と副作用                     風祭  元

●シリーズ/精神医学用語解説
320.自殺の戦略研究                               樋口 輝彦
321.高次脳機能障害                               三村  將

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