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 第35巻11号(2006年11月号) 特集/遂行機能とその障害
定価(\)本体 2,700+税 送料(\) 150


編集後記

◇本特集では遂行機能とその障害を取り上げた。Executive function(遂行機能ないし実行機能)という用語は,最近は神経心理学にとどまらず,精神医学一般において頻繁に使われるようになっているが,その概念は必ずしも明確でなく,多義的である。遂行機能は問題解決機能ともいいうるもので,他の高次脳機能に比べ,より複雑な機能である。それだけにさまざまな要因により,例えばより要素的な脳機能の障害や全般性注意,意欲といった非特異的機能の障害により容易に損なわれる。それゆえ,遂行機能の評価は他の高次脳機能障害に比べ難しく,より慎重さが求められる。また遂行機能は前頭葉機能との関連で論じられることが多いが,本来,遂行機能は脳局在論的な概念でないことにも留意すべきである。遂行機能はより要素的な脳機能が保たれていて十全に機能しうることから,その障害がいわば純粋な形で問題となるのは確かに前頭葉損傷の場合である。しかしながら他の脳領域の損傷でも遂行機能は障害されることも銘記すべきであろう。
特集では,遂行機能の概念,評価法につき問題点や留意すべき点を含め概説いただいた。また各論として,統合失調症の薬物療法とリハビリテーションにおける遂行機能障害,認知症,アルコール依存症候群,注意欠陥多動性障害と自閉症スペクトラム障害における遂行機能障害について,最新の知見も含め執筆いただいた。本特集で精神医学における遂行機能とその障害について十分に知ることができよう。執筆者の方々に感謝いたします。

目次


●特集
遂行機能とは                                  三村  將
遂行機能の評価                                 田渕  肇
統合失調症と遂行機能障害─薬物療法の立場から─                 片山 征爾・他
統合失調症と遂行機能障害─リハビリテーションの立場から―            根本 隆洋・他
認知症と遂行機能障害                              朝田  隆
アルコール依存症候群と遂行機能障害                       森山  泰・他
注意欠陥多動性障害および自閉症スペクトラム障害の遂行機能障害          川久保友紀・他


●研究報告
日本自閉症協会広汎性発達障害評価尺度(PARS)・児童期尺度の信頼性と妥当性の検討
                                        安達  潤・他

●短報
Quetiapine付加的投与により,著明な改善を認めたSSRI抵抗性の強迫性障害の1例    興野 健也・他
Olanzapineへの切り替えにて改善がみられた急性期統合失調症圏の7例         五十川浩一・他

●講演紹介
第2回福岡精神医学研究会特別講演記録「わたくしの治療のしかた」          山上 敏子

●日本近代向精神薬療法史
抗てんかん薬・睡眠薬・抗パーキンソン薬・抗酒薬など               風祭  元

●学会印象記
第2回日本司法精神医学会大会                           岡江  晃

●シリーズ/精神医学用語解説
318.NCC(意識の神経相関)                           高畑 圭輔・他
319.精神科専門医制度                              山内 俊雄

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