今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(47巻4号・2018年4月号)
特集/精神科臨床に必要とされる基本と応用─精神科専門医とサブスペシャルティ─

「臨床精神医学」(47巻5号・2018年5月特大号)
特集/精神科診療でみられる検査値異常の鑑別とその診療

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最新号 
 47巻3号(2018年3月号) 特集/中枢薬の新たなイノベーション
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 200


編集後記

◇2011年,Nature誌に「Psychopharmacology in Crisis」という記事が掲載され,世界のビッグファーマが次々と向精神薬の開発から撤退している,と報じられた。確かに,中枢薬の開発には,他領域より長い期間がかかり,成功率も低いことが指摘され,困難に直面していることは間違いない。それ以後,わが国でも,神経精神薬理領域の開発は困難,という論調が盛んとなった。
◇しかしながら,改めて見渡してみると,実は向精神薬の領域でも,イノベーションが次々と起きている。さらに,視野を中枢薬全体に広げてみると,新薬ラッシュと思えてくるほどである。そして,この領域の開発では,日本の製薬会社が大きな役割を果たしている。前述の記事で報告されていたのは,海外の企業の撤退であり,日本の企業は,困難な中でも,引き続き中枢薬の開発に引き続き取り組み,世界的な成果を上げているのである。また,以前には考えられなかった,精神疾患領域における医師主導臨床試験も行われ始めている。そして,さらなるイノベーションのための競争前連携を目指した,産官学連携(PPPs)も始まっている。
◇本特集は,こうした中枢薬領域におけるイノベーションの現状を概観するとともに,今後の方向性を展望することを目指した。本特集が,向精神薬開発の世界的拠点としての日本の地位の再認識と,産官学一体でのイノベーションの機運を高める一助になればと願っている。 (K.T.)

目次


オレキシン拮抗薬・スボレキサント (滋賀医科大学)鷹見 将規・他…229
むずむず脚症候群に対するドパミンアゴニスト (東京医科大学)井 上 雄 一…235
ペランパネル─グルタミン酸による興奮毒性に着目して開発された
 抗てんかん薬─ (エーザイ株式会社)高 野 広 樹…245
ナルメフェン─ハームリダクションのためのオピオイド拮抗薬─
  (国立病院機構久里浜医療センター)木 村   充…255
Lurasidone─新規抗精神病薬の双極性うつ病に対する効果─
  (一般社団法人日本うつ病センター)樋 口 輝 彦…261
(R)-ケタミンvs.(S)-ケタミン
  (千葉大学社会精神保健教育研究センター)橋 本 謙 二…269
自閉スペクトラム症中核症状に対するオキシトシン治療─マルチモダリティ
 脳画像解析とゲノム薬理学の応用─ (浜松医科大学)山 末 英 典…275
アルツハイマー病の新薬開発の現状と展望 (東京大学)井原 涼子・他…283
アセナピンはなぜ舌下錠なのか (大館市立総合病院)佐藤  靖・他…291
ドパミンD2受容体部分アゴニスト系抗精神病薬の創薬研究
 ─新たなイノベーションを目指して─ (大塚製薬株式会社)菊地 哲朗・他…297
ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな治療の可能性
  (大日本住友製薬株式会社)井 上 善 文…307
創薬開発に向けた産官学連携─Public Private Partnerships, PPPs─
  (東京都医学総合研究所)池田 和隆・他…315
❖研究報告
 措置入院となった精神障害者の治療転帰に関する後ろ向きコホート研究(その1)
  ─措置解除された患者の長期転帰に影響する因子について─ 瀬戸 秀文・他…323
 措置入院となった精神障害者の治療転帰に関する後ろ向きコホート研究(その2)
  ─措置入院患者の退院後の死亡リスクに関する検討─ 稲垣  中・他…335

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