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     6月号 神経症圏障害のすべて
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最新号
 第35巻4号(2006年4月号) 特集/パーシャルアゴニストの精神薬理

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

◇わが国第5番目の非定型抗精神病薬として導入されるアリピプラゾ−ルは,「パーシャルアゴニスト」と表現される新しいカテゴリーの薬剤といわれている。統合失調症の病態には陽性症状として顕現する側面の病態と陰性症状として顕現する病態の側面が相互に関係しあいながら存在するので,一方の病態への作用が他方には不都合になるという事態もあった。したがって1薬剤の中にフィードバック機構を持つようなパーシャルアゴニストの薬理作用が臨床的にも発揮されるならば,有用な薬剤になることが推測される。プロラクチン値の上昇や体重増加がないなどの安全性に優れた面があるようである。しかし,生活機能障害と最も関連するといわれる認知障害の改善作用の程度はいかがであろうか。理想的な薬剤はなく,本剤も精神運動興奮への作用の弱さへの対策が必要とされている。また,他の非定型抗精神病薬以上に単剤処方が必要な薬剤と思われる。統合失調症患者における薬物動態学的相互作用の検討も今後の課題のようである。アリピプラゾールが,わが国の精神科臨床の中で,どのような役割や位置を占めるかは,今後数年間の臨床実践の中で確かめられていくことになる。統合失調症に病む人にとって,新しい治療の選択肢になることを期待したい。

目次

●特集
パーシャルアゴニストの精神薬理                         仙波 純一
アリピプラゾールの薬理作用                           鍋島 俊隆
パーシャルアゴニストの画像評価                         大久保善朗
アリピプラゾールの薬物相互作用                         福井 直樹・他
aripiprazoleの本邦における臨床試験成績                     冨高辰一郎・他
新規抗精神病薬を使いこなす                           上田  均

●研究報告
新潟中越地震発生後1カ月半経過時におけるこころのケア活動             熊谷亜紀子・他
「異常脳波」を精神療法に応用した境界性人格障害の治療              丸山  史・他
家族の主観的困難度・負担調査票の作成と信頼性・妥当性の検討
−統合失調症患者の家族を対象として−                      山口  一・他
Locus of Controlの安定性に関する研究−精神科治療による変化−          永井 直規・他

●連載/日本近代向精神薬療法史
最初のトランキライザ−・メプロバメ−トとその後のataractica           風祭  元

●精神科診療/よもやま話
子どもの精神科診療所から                            上林 靖子

●読者のひろば
神田橋先生への手紙                               渡辺 多恵

●学会印象記
第161回北陸精神神経学会                             東間 正人

●シリーズ/精神医学用語解説
311.レット症候群                                難波 栄二
312.精神保健審判員                               中谷 陽二
 

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