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 第35巻2号(2006年2月号) 特集/高次脳機能障害/びまん性軸索損傷

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

◇“高次脳機能障害”は近年,急速に注目を集めているが,用語的にも概念的にもいささかの混乱があるように思われる。神経心理学において,これまで“高次脳機能障害”という正式な専門用語は確かになかったが,“高次皮質機能”や“高次脳機能”という表現はしばしば用いられてきた。そこでいう“高次機能”とは,“要素的機能”に対峙するもので,“意味に関わる”機能の謂いである。例えば,運動は“要素的機能”であり,道具の使用やパントマイムなどの行為は“高次機能”である。その意味で失語,失行,失認は“高次脳機能障害”であり,それらの巣症状は神経心理学において診断,治療の中心的な対象となってきた。しかるに最近いわれる“高次脳機能障害”とは,これら巣症状以外の症状,すなわち注意,記憶,遂行機能の障害,前頭葉症状,情動変化などを対象としている。神経心理学は,“高次機能”の障害として従来より,失語,失行,失認と同様,注意,記憶,遂行機能の障害,前頭葉症状,情動変化なども,対象としてきており,用語的にも概念的にも混乱が生じたのは当然であろう。しかしいずれにせよ,神経心理学の領域以外でいわば狭い意味での“高次脳機能障害”が注目されるようになったことは大変に意義のあることである。一見みえにくいが,社会生活に支障をきたすこれらの障害は決して少ないものでなく,その正しい評価,治療は焦眉の問題である。前頭葉機能,遂行機能に関する評価法も開発されてきており,それら障害に対する認知リハビリテーションも浸透しつつある。本特集では“高次脳機能障害”について,概念と実態,支援モデル事業,リハビリテーション,外国における状況,機能障害の認定と運用基準につき,また“高次脳機能障害”を引き起こす病態として,しばしば診断に難渋するびまん性軸索損傷を取り上げ,臨床所見や治療,画像所見,病理所見について,専門家の方々にお書きいただいた。わかりやすく書かれた本特集は“高次脳機能障害”のより深い理解に資すること大と思われる。
◇ご執筆いただきました先生方に感謝いたします。

目次

●特集
高次脳機能障害の概念と実態                           宮永 和夫
高次脳機能障害支援モデル事業                          中島八十一
高次脳機能障害の治療−認知リハビリテーションを中心に−             本田 哲三

高次脳機能障害の処遇−スウェーデンの現状−                   高橋 正彦・他
“脳外傷による高次脳機能障害”の認定と運用基準                 益澤 秀明
びまん性軸索損傷における高次脳機能障害                      上久保 毅
びまん性軸索損傷の画像所見   高岡  諒・他
びまん性軸索損傷の神経病理                           女屋 光基

●研究報告
記憶障害を主訴とした初期統合失調症(中安)症例の症候学的検討          田中 健滋
抗うつ薬コンプライアンス尺度(ADCQ)日本語版の作成               小山明日香・他

●連載/日本近代向精神薬療法史
クロルプロマジンの向精神作用の発見とわが国での臨床への導入           風祭  元

●精神科診療/よもやま話
女性係長の悩み                                 栗原 雅直

●学会印象記
第47回日本老年医学会学術集会/第20回日本老年精神医学会大会           中橋  毅・他

●シリーズ/精神医学用語解説
307.ソマティックマーカー仮説                          加藤  隆・他
308.カンナビノイド受容体                            氏家   寛
 

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