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最新号
 第49巻2号(8月号) 特集 /PBC,PSCの最近の話題

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 PBCは,決して多くない疾患であるが,昔から成因,病態,治療法などが注目されてきた.その時々の時代に応じて,多くの免疫学的手法や分子生物学的手法を用いた研究が行われているが,依然として病因は不明である.近年,感染症,菌体との分子相同性が注目されている.新しい切り口として,自然免疫や細胞老化などの概念も導入されている.また,疾患特異的なAMAの対応抗原は明らかになりつつあるが,これがPBCの胆管病変とどのように関連しているか.胆管周囲に浸潤しているリンパ球は,何を認識しているのか.どのようなプロセスで,胆管周囲に集簇するのか.研究現場にいるものとして,PBCの病因解明は夢であり,もう間近に来ているかもしれない.どこのグループが最初に病因を明らかにするか,楽しみである.
 PSCは,むしろ稀な疾患である.しかし,最近,わが国の研究者によりその病態が明らかになりつつある自己免疫性膵炎に,しばしば硬化性胆管炎が出現し,PSCに類似した像を呈することから,再び注目されている.自己免疫性膵炎は,IgG4疾患の1つのmanifestationの可能性があり,他臓器でも類似の病理像の出現が知られている.肝胆膵でも病態の多様性が存在し,膵炎を合併しない胆管,肝を障害するIgG4病があるかもしれない.血清学的にIgG4が高値を示す点が大きな特徴であり,病変中にIgG4陽性の形質細胞が高度に浸潤する.この特徴的な所見がきっかけとなり,その病態と病因が明らかになると期待される.また,IgG4関連の硬化性胆管炎とPSCとの病態の違いは何なのか.潰瘍性大腸炎に合併しないPSCの実態は何か.欧米とわが国のPSCの疫学の違いも注目される.PSCに合併する胆管癌は,なぜ施設によりその合併頻度が大幅に異なるのか.
 PBCとPSCの病因,病態に関して,不明な点が多い.しかし,着実に解明されつつある.

目次

〔巻頭言〕PBC,PSCの謎                        大西 三朗

I. PBCの病因/胆管病変
  細菌/ウイルス感染とPBC                     原田 憲一,他
  ミトコンドリア抗体:最近の展開                  田中  篤,他
  側副刺激分子依存性自己反応性T細胞クローンと
   側副刺激分子非依存性クローンの差異を中心に           下田 慎治,他
  PDC-E2とキラーT細胞                       喜多 宏人
  PBCの胆管破壊:Cellular senescenceとの関連性          佐々木素子,他

II.PSCの疫学/病態/発癌
  PSCの全国調査(診断基準を含めて)                滝川  一
  PSCと自己免疫性膵炎に伴う胆管病変の臨床的鑑別          中沢 貴宏,他
  自己免疫性膵炎に合併するIgG4関連硬化性胆管炎と
   原発性硬化性胆管炎との病理組織学的鑑別             全   陽,他
  潰瘍性大腸炎と原発性硬化性胆管炎                 山岸 直子,他
  PSCと発癌                            谷合麻紀子,他

III.PBC,PSCとAIHのオーバーラップ                   高橋 宏樹,他

IV.PBC,PSCの薬物療法                        岩崎 信二,他

V. 原発性胆汁性肝硬変,原発性硬化性胆管炎の肝移植成績と再発問題   市田 隆文,他

VI.座談会“PBC,PSCの最近の話題”              (司会)中沼 安二
                                   石橋 大海
                                   山本 和秀
                                   田中 直見
                                   岡崎 和一

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