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 第48巻5号(5月号) 特集/膵癌のリスクファクター−早期診断への手がかりは−
定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 膵癌による死亡者数は平成14年度20,137名,悪性新生物全体の第5位で6.6%を占め,男性10,787名,人口10万対17.5,女性9,350名,14.5まで増加した.また臨床的に膵癌は治療効果が極めて小さいと区分されている.このため長期生存が期待される膵癌を発見することが望まれ続けてきたが,通常の膵管癌については5年生存率からは明らかな改善は見られない.
 予後の良い早期の膵癌は小さな腫瘤で周辺への進展がないものである.早期の膵癌を見い出すためには早期診断が基本である.早期診断とは症状がない時期に,あるいは症状が出現してから極めて短期間で診断することと理解される.この意味での早期診断による膵癌が,早期の病期かと言えば,現状では大多数が進行癌であり,対象や診断法の見直しが求められている.
 早期の膵癌を見い出すためにはリスクファクターを保有している人々に絞り込んだ精査が有効と考えられ,リスクファクターの確立,先行する疾患,糖尿病や慢性膵炎などでの膵癌のスクリーニングが検討されている.また画像診断で見られる異常の中に膵腫瘍と関係ある所見の存在が指摘されている.一方分子生物学的な所見は健診や臨床の場で具体化されていないが,まだまだ期待されるところである.このほか病理学的変化に遺伝子異常を組み合わせ膵癌との関係が注目されているPanINも興味深い.
 今特集では膵癌早期診断に絞り日本の現状を整理し,これからを展望することを試みた.早期の膵癌の診断へ一歩でも進むことを期待するものである.

(小泉 勝)

目次

〔巻頭言〕膵癌早期発見へのチャレンジ                  松野 正紀
膵癌のリスクファクター
 疫学からの分析
  膵癌登録症例からみた膵癌のリスクファクター             江川 新一,他
  健診発見膵癌例の遡及的検討−文献的考察を含めて−          佐藤   公,他
  生活習慣と膵癌                            林  櫻松,他
  分子生物学からみた膵癌のリスクファクター              澤武 紀雄,他
 画像診断
  超音波像からみた膵癌のリスクファクター               田中 幸子,他
  ERCPとEUSからみた膵癌のリスクファクター               中村 雄太,他
  膵癌早期発見とMRI                          阿部 展次,他
 先行する疾患との関係
  慢性膵炎                              北川 元二
  遺伝性膵炎                             正宗   淳,他
  膵癌のリスクファクターおよび早期診断の手がかりとしての
  膵管分枝の限局性拡張性病変                     木村   理
  糖尿病                               田中 雅夫,他
早期膵癌発見へのアプローチ
 分子生物学的検査から                         多田    稔,他
 通常型膵管癌の初期像                         柳澤 昭夫
トピックス
 PanIN                                高折 恭一
座談会“膵癌のリスクファクター−早期診断への手がかりは−”(司会)  大槻   眞
                                    平田 公一
                                   小泉  勝
                                   山口 武人
                                   須田 耕一
                                
症例報告 経カテーテル動脈塞栓術にて治療し得た総肝動脈瘤の1症例    野村 俊之,他
臨床研究  慢性肝疾患に対する抗線維化療法−亜鉛含有製剤による検討−  高松 正剛,他

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