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最新号

 第48巻3号(3月号) 特集/肝胆膵領域におけるMRIの最前線−
定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 今月は「MRIの進歩」を特集のテーマにとり上げました.超音波診断(US)に始まり,computed tomography(CT),magnetic resonant imaging法(MRI)が開発され,改良が重ねられて優れた画質や機能の向上が計られた結果,これらがERCP,PTCといった侵襲的診断法に代わる有用な診断法として登場してきました.
 このことは,患者さんにとっても,診療者側にとっても大きな福音であります.しかし私ども内科・外科の直接臨床に携わる医師が,この画像診断の進歩を十分に理解しているとは言えません.すなわち日常診療において,画像診断の部分をすべて放射線科に丸投げしてはいないかと言うことであります.つまり,いまMRCPとMRIの画像診断上の価値を同一視してオーダーを出しているのではないかと自問しております.放射線科の医師のみがこの画像診断の進歩の理解者で,内科医・外科医はこれらの画像の進歩の情報を積極的に取り入れようとせず,放射線科の医師に丸投げして,日常診療にあたり続けるということは,患者さんがこの進歩の恩恵を受けることが極めて少ないままの状態が続くということになります.
 今回の座談会の中でも,放射線側から,EOBという新しい造影剤の開発によって,肝臓の結節性病変の診断が,病理組織学的診断のレベルに匹敵するもので,MRIの質的診断能の向上が,「画像診断の世界を大きく変える」ものであることが指摘されております.この情報を内科医・外科医が主体的に習得し,日常臨床の場に直ちに取り入れる努力が要求されるでしょう.すなわち,「付け足し的にMRIを語るのではなく,そろそろ内科・外科の先生方も本格的にMRIの世界に入って行くこと」が求められているのです.この提言は重く受け止めなければならないと思います.そういった意味から,本企画が肝・胆・膵領域の臨床に携わる臨床医にとって,日常臨床のうえで直ちに役立つものと自負しております.

(松本 由朗)

目次

〔巻頭言〕肝胆膵領域におけるMRIの新しい展開                  荒木  力
概説 肝胆膵領域におけるMRIの特異性と有用性                  大友  邦

造影剤の進歩による診断能の向上
 Kupffer細胞に特異性のあるSPIO(超常磁性酸化鉄)と肝細胞に
  特異性のあるGd-EOB-DTPAの造影機序                     谷本 伸弘
 肝細胞癌におけるSPIO造影MRIとCTHA/CTAPの質的診断能の比較           朝比奈靖浩,他
 肝細胞癌におけるGd-EOB-DTPAの診断能,SPIOおよびCTAP/CTHA
  との診断能の比較                              中島 寛人,他
 転移性肝癌におけるSPIO造影MRIとCTAPの診断能の比較              廣橋 伸治,他
 肝細胞癌の切除術式決定におけるSPIOとCTAPの役割                三浦 泰朗,他

MRI高速撮像法の進歩−新しい高速造影MRIとmultiditector-row CT(MDCT)の比較
 肝細胞癌(多血性)の診断における超高速撮像法(パラレルイメージング法)
  を用いた超高速ダイナミックMRIと超音波およびMDCTとの比較評価        斉藤  聡
 肝胆膵領域における三次元造影CT angiography(CTA)と
  三次元造影MR angiography(MRA)の診断能の比較と両者の使い分け       蒲田 敏文,他

MR cholangiopancreatography(MRCP)における新しい展開
 超高速撮像法(パラレルイメジング)を用いた3次元MRCP撮像の進歩        増井 孝之,他
 胆膵疾患における三次元MR cholangiopancreato angiography(MRCPA)
  −MRCPとMRAの融合画像−の有用性とその特徴                 塚本 達明,他
 慢性膵炎におけるセクレチン負荷MRCPによる膵外分泌能の定量化          本杉宇太郎,他

座談会“肝胆膵領域におけるMRIの最前線”                (司会)松本 由朗
                                        市川 智章
                                        工藤 正俊
                                        竹原 康雄
                                        杉山 政則
症例報告
 腎障害を併存した肝硬変による難治性腹水に対し,
  腹腔大静脈短絡術が有効であった1症例                    市川  剛,他

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