今後の特集のご案内

 2004年 3月号 肝胆膵領域におけるMRIの最前線
     4月号 肝発癌研究の新たな展開
     5月号 膵癌のリスクファクター
         −早期診断への手がかりは−

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最新号 第48巻2号(2月号) 特集/肝臓外科−課題とその対応−
                                       定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 特集として「肝臓外科―課題とその対応」を取り上げた.外科領域に関する特集としては過去に「手術と肝障害」があるが,今回のように真正面から外科の話題を取り上げたのは初めてである.本誌の読者は内科医が多いことから,どこまで興味をもって読んでいただけるか多少の不安もあるが,肝臓疾患の診療において,内科と外科はその両輪であり,互いの連携は適切な診療に不可欠である.一般に外科領域の論文はよりspecificであり,他領域の医師が読んでもあまり面白くない.多少いい訳めくが,このことが外科系ジャーナルのimpact factorが概して低いことの一因でもある.また,肝臓学会,膵臓学会には外科医も参加するが,肝胆膵外科学会には内科医が参加することは通常はない.つまり外科の情報はあまり内科には行き渡らないことになる.本特集の意図を汲んでいただいて,外科医にはもちろんのことであるが,内科医にぜひ,肝臓外科の現況を知っていただければさらに両輪が円滑に駆動するものと考える.
 外科医にとって根治性と安全性の両立は本質的な命題である.肝硬変や閉塞性黄疸を合併する際の,さらには推定残肝容積が不十分な場合の対応策をテーマに選んだ.また,肝臓は腹部臓器の中で生命に直接関わる唯一の臓器であり,その不全は死に直結する.上記の対応策はまさにこの肝不全回避のためであるが,ひとたび発生したときの対応,また,その発生機序の解明も難解であるが,重要な課題である.肝移植についても内科医と外科医との円滑で強力な連携プレイが要求される.選ばれたテーマは移植成績を大きく左右するものであり,かつ身近なテーマである.
 執筆者は経験豊富なエキスパートである.本特集が明日からの外科診療に役立ち,そして内科の先生方の肝臓外科に対するご理解が増せば幸甚である.

(有井 滋樹)

目次

〔巻頭言〕肝臓外科−課題とその対応−        山岡 義生

肝障害時の肝切除
 肝硬変と肝切除                  長谷川 潔,他
 閉塞性黄疸と肝切除
  閉塞性黄疸と切除許容限界            上本 伸二,他
  胆道ドレナージに関するコントラバーシー     大塚 将之,他
 門脈枝塞栓術
  肝再生と門脈枝塞栓術              海道 利実,他
  門脈枝塞栓術:方法,適応,治療成績       梛野 正人,他

術後肝障害
 術後肝障害の発生機序               渡会 伸治,他
 麻酔と肝障害                   七野 力
 肝切除後の術後感染症と肝障害           大坪 毅人,他
 肝不全時の代謝異常と管理             志賀 英敏,他

肝移植
 術前肝病態・肝機能と移植成績           小倉 靖弘,他
 グラフトサイズと肝機能・移植成績         吉住 朋晴,他
 グラフト機能不全の病態と対応           陳  孟鳳,他
 生体肝移植ドナー術後肝機能異常          石河 隆敏,他

座談会“肝臓外科における課題とその対応”  (司会)有井 滋樹
                          山中 若樹
                          高田 泰次
                          菅原 寧彦
                          田中 榮司

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