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 2005年 3月号 精神医学と神経学との再統合―新しい神経精神医学の流れ―
     増刊号 精神科臨床評価・検査法マニュアル
     4月号 第2世代抗精神病薬の臨床薬理:up-to-date
 

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最新号
 第34巻2号(2月号)
 特 集/衝動制御の障害と関連病態

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

◇衝動制御の障害とその関連病態は疾患分類の中でとりわけマージナルな位置を占めるカテゴリーである。いずれも臨床的位置付けが不明確であることは本特集の執筆者によって指摘されている通りである。
◇その最大の理由はこれらの「疾患」と非病理的な性癖や習慣的行動との境がファジーなことにあるだろう。万引き常習と病的窃盗,賭博マニアと病的賭博,買い物好きと強迫的買い物癖はどこで区別されるのだろうか。厳密な定義や診断基準にこだわるとこれほど厄介な問題はない。
◇しかし,定義や正常・病理の区別にこだわるのは止めて逆の向きから眺めてみると,別の視点が浮かんでくる。すなわち,なぜ人間は性癖や習慣化された行為を持つのか,という行動科学的な疑問である。なぜ毛を抜きたくなるのか,なぜ切手を収集したくなるのか,なぜいらない物まで買いたくなるのか,なぜマッチやライターを弄びたくなるのか。衝動制御の障害を手がかりにして,こうしたサブクリニカルな現象の神経生物学的基盤が明らかになるかもしれない。
◇ひるがえってわれわれを取り巻く人間環境を見渡すと,賭博や買い物などの「古典的な」性癖ばかりでなく,ストレスや欲望を刺激するさまざまな媒体のもとで,新種の性癖やマニアックな行動が出現していることに気づく。インターネット依存症の人,携帯電話を片時も離せない人,子どもを叩かずにいられない人。
◇こうして見ると,衝動制御の障害をめぐる基礎的,臨床的な関心は意外に広い射程を持つ可能性を秘めている。

目次

特集

     衝動制御の障害─概念と位置付け─                     中谷 陽二
     盗みと窃盗癖                               小畠 秀吾
     放火と放火癖                               山上  皓
     病的賭博(ギャンブル依存症)                       松澤 信彦
     抜毛癖                                  武井  明
     強迫的買い物癖                              妹尾 栄一
     収集癖                                  菊池 慎一
     衝動制御の神経心理学─前頭葉眼窩部損傷例における行動異常の側面から    加藤  隆・他
     衝動の神経生物学                             横山 正宗・他

研究報告

     DUP(Duration of Untreated Psychosis)が初発統合失調症の
     1年後転帰に及ぼす影響について                      樋口英二郎・他
     神経性過食症へ認知行動療法を適用した1症例                本岡 寛子・他
     炭酸リチウム服用が血清電解質に与える影響について             栃本 真一・他

総説

     うつ病の医療経済学─その社会経済的負担の考察─              鎌江伊三夫・他

学会印象記

     日本精神病理学会第27回大会 柴山 雅俊
     第34回日本臨床神経生理学会学術大会/第41回日本臨床神経生理学会技術講習会 中島  亨

シリーズ/精神医学用語解説

     289.ミクログリア                            門司  晃
     290.前駆(症)                             水野 雅文

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