今後の特集のご案内

 2005年 2月号  衝動制御の障害と関連病態
     3月号 精神医学と神経学との再統合―新しい神経精神医学の流れ―
     増刊号 精神科臨床評価・検査法マニュアル
 

バックナンバーはこちら

最新号
 第34巻1号(1月号)
 特 集/睡眠障害の臨床

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 今月号の特集は「睡眠障害の臨床」である。なぜヒトは眠るのかという基本問題は依然として未解決であるが,睡眠の不思議は意識と無意識の問題とも絡み,多くの精神医学的研究が蓄積されてきた。

現代社会は昼夜を通じて人々が働き続ける24時間社会となり,多くのシフト勤務者を必要とするようになり,睡眠と概日リズムの問題の解決が求められている。また,航空機の発達によりグローバルなヒトの移動による時差とジェットラグの問題など,時間と睡眠に関する問題にも解決が求められている。
睡眠学は時間生物学の領域ともオーバーラップする。最近の時間生物学の大きな発見は生物時計の分子メカニズムの解明であろう。哺乳動物の基本的な概日リズムは視交叉上核にある。視交叉上核のオシレーターがリズムの発信源であり,正の因子(CLOCK, BMAL1)と負の因子(PER1, PER2,PER3)の間の遺伝子発現のフィードバック機構により概日リズムが産生されている。このような生物時計の機構解明は季節リズム,年リズムなどの解明へ,さらには周期性現象の解明へと繋がっていくのであろう。
脳波などの精神生理学的研究手法を有する精神医学はこれまでも睡眠学の主要な担い手であり,睡眠の生理学的研究に大きな貢献をなしてきた。そして,睡眠学も生理学だけのレベルから病態生理,分子病態,分子遺伝,分子生物学を統合した学問へと発展してきた。ちょうど2004年4月から滋賀医科大学に睡眠学講座が開設され,睡眠学は新たな展開を迎えようとしている。このような時期に睡眠学における精神医学の重要性を今一度,再認識したいものである。

目次

●特集/睡眠障害の臨床
  現代社会における睡眠障害                    粥川裕平・他
  睡眠の分子生物学の進歩と臨床応用                本多 真
  ナルコレプシー                         高橋康郎
  呼吸関連睡眠障害と睡眠時無呼吸症候群              重土好古・他
  概日リズム睡眠障害                       早川達郎・他
  ライフステージと睡眠                      近藤英明・他  
  睡眠障害の薬物療法                       井上雄一・他
  睡眠センターの活動                       土生川光成・他
  睡眠学講座の役割と期待                     大川匡子

●研究報告
  てんかん患者と偽発作患者におけるロールシャッハ・テストの特徴  鹿中紀子・他
  連続マンガ読み取りを用いた統合失調症における
  言語表現機能障害の客観的分析の試み               野島精二
  抑うつが10年以上遷延した前頭側頭型痴呆と考えられる3症例     水井康太・他
  2001年9月11日米国多発テロ事件3カ月後のニューヨーク
  在住邦人の精神状態 第2報:子どもの精神状態           斉藤卓弥・他

●学会印象記
  第28回日本神経心理学会総会                   小森憲治郎
  第17回日本総合病院精神医学会総会                堀口 淳

バックナンバーはこちら