今後の特集のご案内

 2004年 12月号 周産期から乳幼児期の環境と精神発達
 2005年  1月号 睡眠障害の臨床
      2月号 衝動制御の障害と関連病態

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最新号
 第33巻11号 特集/周産期から乳幼児期の環境と精神発達

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 児童虐待や「切れる」子どもの増加に社会の関心が集まっている。自閉症やアスペルガー症候群をめぐっては発達支援の方策が模索され,内分泌攪乱物質などの環境化学物質への家族の関心は極めて高い。精神医学においても統合失調症の原因として発達期の異常が注目されていることは周知のことである。同様にしてPTSDなどでは「ストレス脆弱性」と発症との関連が精力的に研究されつつある。
 このような状況を背景として,今回,妊娠,周産期から乳幼児期における環境と精神発達に着目した特集をお届けする。これは遺伝が関係しないという意味ではなく,むしろ遺伝要因の関与は当然として,発達期という,すでに発症した個々の症例からは詳細な情報が得にくい状況要因である,と改めて注目する必要を訴えたつもりである。黒田論文にあるように環境は遺伝子にも影響するのであり,この分野はエピジェネティックスとして急速に世界の関心の的となりつつある。 幸いにして,お願いした各分野から重厚な論文を寄稿いただくことができた。児童精神医学はどちらかといえば社会的関心の高さに比較して,まだまだ学問的な到達点が高い分野とはいえない。とりわけ,わが国でのこの分野の遅れは著しいといわざるを得ない。しかし,児童に固有の疾患のみならず,多くの精神疾患にとって「三ツ子の魂」は無視できないのである。本特集が,読者の日常臨床での新しい発見につながり,ひいては精神医学の発展に寄与することを願ってやまない。

 

目次

●特集
   総説:周産期から乳幼児期の環境と精神発達                本城 秀次
   環境が脳の発達に与える影響                       神庭 重信・他
   母子関係が児の精神発達に与える影響                   黒田 公美
   環境ホルモンと精神発達                         許  暁彬・他
   胎生期に発現する遺伝子と精神疾患                    定松 美幸・他
   妊婦の飲酒と胎児の精神発達                       塚原美穂子・他
   新生児スクリーニングの30年                       成瀬  浩・他
   出生コホート研究からみた統合失調症の病前発達特徴            西田 淳志・他

●研究報告
  2001年9月11日米国多発テロ事件3カ月後のニューヨーク在住邦人の精神状態第1報:
  成人の精神状態                             斉藤 卓弥・他
  顔面神経の微小血管減圧手術により生じた複合性幻視の自己体験
   ─U.電顕像に随伴する湯および水について─               瀬戸口孝夫
   国立国際医療センターに救急搬送された中高年の自殺企図者の実態について  三澤  仁・他
   精神科急性期治療病棟退棟患者の特徴と患者の再入院を予測する要因     小山明日香・他

●学会印象記
  世界行動療法認知療法会議(WCBCT 2004)                 井上 和臣
  第34回日本神経精神薬理学会・第26回日本生物学的精神医学会合同年会     池尻 義隆

●シリーズ/精神医学用語解説
  286.メタアナリシス                           渡辺 範雄・他
  287.分子シャペロン                           工藤  喬・他

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