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     11
月号 ヒトゲノム解読後の精神医学
 

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最新号
 第33巻8号 特集/周産期精神医学

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

◇産後うつ病を代表とする産褥期の精神障害は古くからよく知られ,精神科医であれば誰もが関わるであろう頻度の高い問題である。また,胎児や新生児への影響を考えて,母親の精神症状に対する薬物療法で頭を悩ませることも臨床現場の日常である。しかし意外なことに,これらの諸問題へ向けられる関心は高くなかったように思う。
◇しかし近年,周産期精神医学は,疫学,発生・発達医学,発達心理・精神医学,神経生物学,精神薬理学を巻き込んで着実に発展を遂げつつある。今や古典となったBowlbyの愛着やHarlowの母子分離研究が,新たなconceptとmethodologyをもって大きく展開され,予防・治療・ケアに生かされつつある。
◇「脳を知り,脳を守る」という脳科学のメインテーマの観点からも,周産期精神医学への期待は大きい。妊娠中の母親の受けるストレスや産後のうつ病が,子どもの脳の発達にどのような長期的影響を生むのか。そのメカニズムが明らかにされ,レスキューの方法が手に入るならば,数多くの精神障害の予防につながるのではないかと期待する。
◇この領域の最新の知見を集成した本特集は,「周産期精神医学」の研究と臨床がどこを目指しているのかを教えてくれる貴重な資料となったように思う。
◇今回の特集は,この領域の第一人者の一人である九州大学精神科の吉田敬子先生に,構成立案,執筆者の選定,共同研究者のGlover and O'Connor氏の論文翻訳までをお願いした。付記して感謝の意を表したい。

 

目次

●特集
  周産期精神医学の研究と実践の動向
  ―生物学的基盤から地域での母子精神保健の取り組みまで―        吉田 敬子
  周産期精神医学における疫学的アプローチ
  ─発症危険因子モデルの検討─                     北村 俊則
  出産前の母親のストレスや不安が子どもへ与える長期的影響        Vivette Glover・他
  周産期精神医学における乳児の役割                   金子 一史・他
  ホルモン環境の変動と精神機能の変化                  網野 信行・他
  妊娠期における向精神薬の使用について
  ─児の発達学的観点からのリスクの検討─                山下  洋・他
  周産期の精神保健活動の新しい試み
  ─インターネットを用いた啓蒙活動および支援─             岡野 禎治・他

●研究報告
  誤嚥による一過性低酸素血症後にKorsakoff症候群を呈した1症例      大槻 秀樹・他
  Methylphenidate(リタリン®)を静注乱用し,
  窃盗を繰り返した気分変調症の1症例                   高松 康治・他
  摂食障害における入院治療の有効性と人格傾向について
  ─ロールシャッハ・テストの結果から─                 佐藤 晋爾・他
  L-dopa増量に伴いパニック発作を引き起こしたパーキンソン病の2症例    松井 秀彰・他

●海外だより
  中華人民共和国 北京市の精神科医療事情                勝田 吉彰

●書評
  ひきこもり文化論                           小林 聡幸

●学会印象記
  第100回日本精神神経学会                        豊嶋 良一
  日本家族研究・家族療法学会第21回大会                 湯澤 茂子
  第10回日本精神神経科診療所協会総会・学術大会             羽藤 邦利

●シリーズ/精神医学用語解説
  282.EAP                               廣山 祐仁
  283.バイオインフォマティクス                     橋本 亮太・他

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