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 第33巻5号【特大号】(5月特大号) 特集/サイコオンコロジーの現状と展望

定価(\) 6,300 送料(\) 200

編集後記 紹介

◇21世紀を迎え医学教育は大きな転換期に立っている。卒前教育については,コアカリキュラムが導入され,卒後教育についても平成16年度から新臨床研修制度が発足した。このような新教育制度の中で,精神医学は必修実習あるいは研修科目の1つとして位置づけられた。数多くある専門科目の中から精神医学が必修化されたことについて,その必要性を揶揄する者もいると聞く。しかしながら,精神医学が必修化された理由は,患者中心の医療を実践できる医師の育成,コミュニケーション能力の優れた医師の育成,倫理的問題を真摯に受けとめ適切に対処できる医師の育成といった医学教育のために精神医学が必須のものと認識されたからにほかならない。すなわち精神医学を学ばせることによって,bio-psycho-social-ethicalのいずれの側面も配慮した全人的医療を行う医師を育成しようという大きな期待がある。このような期待に精神医学は応えなければならない。
◇現代医療の進歩は目覚しいものの,それでもなお完治できないがん患者は多くおり,医療は,末期がん患者のターミナルケアの必要性を社会から切実に求められている。また,がん細胞の撲滅だけを目的とする医療から,患者のこころのケアやquality of lifeの向上を目標とする,まさにbio-psycho-social-ethicalのいずれの側面をも配慮した全人的医療の推進が求められている。
◇サイコオンコロジー(精神腫瘍学)は,「がんがこころにおよぼす影響」と「こころや行動ががんに与える影響」を研究する学問であり,がんの医療における全人的な医療を推進する土台となる学問である。全人的医療のニーズが高まるなか,サイコオンコロジーは,精神医学がまさにその期待に応える実践の場ととらえることができるのではないか。
◇幸いなことに,本特集では,この分野で現在活躍しておられる多数の専門家から貴重なご寄稿を得ることができた。本特集の内容のひろがりをみて,bio-psycho-social-ethicalなすべての面を扱う精神医学の魅力を改めて感じることができた。ご寄稿いただいた先生方に感謝申し上げるとともに,サイコオンコロジーのますますの発展を期待したい。

 

目次

●特集
T. 総 論
 日本のサイコオンコロジーの現状と展望                   山脇 成人
 海外におけるサイコオンコロジーの現状                   秋月 伸哉・他
 サイコオンコロジーにおける研究と実践の連携                宮岡  等・他
U. 基 礎
 サイコオンコロジーの現状と未来                      川村 則行
 サイコオンコロジーにおける脳画像研究                   田代  学・他
 「望ましい死」に関する意識調査                      平井  啓
 サイコオンコロジーと臨床倫理                       清水 哲郎
V. 一般臨床
 がん患者の抑うつと不安                          西村 勝治・他
 がん患者のせん妄                             松島 英介
 がん患者のQOL(quality of life)                     松下 年子・他
 がん患者の家族へのアプローチ                       佐伯 俊成・他
 がん医療におけるコミュニケーションスキルトレーニング法          藤森麻衣子・他
 がん患者の精神的苦悩                           森田 達也
 がん患者のスピリチュアリティ(Spirituality)               野口  海・他
 がん患者がかかえる社会的苦痛                       田村 里子
W. 特殊臨床
 先端医療とサイコオンコロジー
  ―造血幹細胞移植におけるサイコオンコロジー               赤穂 理絵
 転移性腫瘍による麻痺患者のサイコオンコロジー               大西 秀樹
 精神疾患患者におけるサイコオンコロジーの実践               轟  慶子・他
 小児がん患者の精神腫瘍学                         小澤 美和・他
X. 治療法
 緩和ケアチームの現状                           山崎 友子
 ホスピスにおけるサイコオンコロジーのあり方                柏木 哲夫
 在宅ホスピス・緩和ケア─わが国の最近の動向─               川越  厚
 がん患者への心理療法的介入                        岩満 優美
 がん患者への集団精神療法                         保坂  隆
 音楽療法の精神腫瘍学的効果                        中山ヒサ子
 サイコオンコロジーにおけるナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)     斎藤 清二
Y. 社会的支援
 がん生存者の社会適応                           遠藤恵美子
 がん患者のためのサポートグループ                     川名 典子
 遺族ケアの一環としてのサポートグループ                  広瀬 寛子
Z. 教 育
 生と死の教育(デス・エデュケーション)について
  ―よりよきサイコオンコロジスト(精神腫瘍医)となるために―       平山 正実
 緩和医療と医学部教育                           加藤 恒夫
[. トピックス
 がん患者の自殺・希死念慮へのアプローチ                  明智 龍男・他
 がんの遺伝カウンセリング                         岡村  仁
 がん患者とPTSD                              松岡  豊・他
 がん患者をケアする看護者のストレスと,そのマネジメント          市原 香織・他

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